彩上
私のキャリアプラン。それは。
――「蜂蜜」だ。
私は蜂蜜が大好きだ。ヨーグルトにかけても良し。お砂糖代わりに煮物に使っても良し。
蜂蜜の活躍の場は、何も食べ物に留まらない。
シャンプー。ヘアオイル。ハンドクリーム。
あの独特な甘い花の香り。しっとりとした使い心地。
そう、何を隠そう、蜂蜜は多才なマルチプレーヤーなのである。
私のキャリアプラン。
蜂蜜のようにマルチに活躍したい!! ――というわけではない。
もちろんそうなれたら嬉しいのは山 々だ。
けれど、今ここで言いたいことはそんな志高い言葉じゃない。
思い浮かべて欲しい。
あなたは今、なにやらよさげな――成城石井とか伊勢丹とかそういう類のだ――スーパーにいる。
蜂蜜売り場はどこだろう。ああ、あった。
端から端まで蜂蜜だ。産地も花も色 々。迷ってしまうなあ。
と、思ったときにふと、目に入るのである。値札が。
――高い。
そう、数多ある甘味料の中で、蜂蜜はどちらかというとお高いのだ。
なにやらよさげなスーパーに行ったからではないか、と思う人もいるだろう。
けれど往 々にして、美味しい蜂蜜はよさげなスーパーか、何なら専門店に存在するのだ。
蜂蜜は蜂や養蜂家の方 々の努力の結晶だ。
そういった意味では決して高いものではないことは、声高に主張したい。
しかし悲しいことに、「私のお財布」から、となるとやはりお高いのだ。
私のキャリアプラン。それは。
――「蜂蜜」だ。
大好きな蜂蜜を、毎日口いっぱいに頬張れるように。
なんなら全身くまなく味わえるように。
たくさんのお給料を貰えることを夢見ながら、
今日も貴重な蜂蜜を大事に大事に味わうのだ。
(完)
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