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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜と祖母と私

ゆー

 

 「風邪をひいた。」私がこう口にするといつも母はお湯に蜂蜜とレモン、生姜を入れた蜂蜜ドリンクを作ってくれる。そして「これを飲めば必ず治る。」という。
 小さい頃は母の言う通りに飲んでいた。中学生の思春期になり、私は親との仲が悪くなった。私が風邪をひいた時、いつものように母から蜂蜜ドリンクを渡された。私は母に従うことが嫌だったので「そんなもの飲んでも良くならない。」と拒んだ。私がその場から離れようとした時「本当にこれは何でも治る。私のお母さんからの教えだから。」と小さな声で母は嘆いた。
 私の叔母は28年前に亡くなった。私は叔母と面識がない。面識がない叔母だからこそ私は母の発言が気にかかった。「それ、どういうこと?」と咄嗟に返した。すると母は「まだ私が子どもだった時お母さんはこの蜂蜜ドリンクを作ってくれていたの。『蜂蜜はとっても体にいいからね。こうして温めて飲むと心も体も暖かくなってすぐに治るから。』と言われていたの。私も初めは治るとは思っていなかった。だけどお母さんが旅立ってから作る蜂蜜ドリンクは少し違う気がした。私はお母さんの愛情が入っているからこそどんな風邪でも治るのだと感じたわ。」と涙ぐみながら言った。
蜂蜜ドリンクは祖母も大切にしていた飲み物。栄養だけではない祖母の天国からの愛情も入っている魔法の薬なのだと感じた。
 親に従うことが嫌で拒んでいた私は自分のことが情けなく惨めに思えた。
 祖母の話を聞いて以来、私は蜂蜜ドリンクを風邪だけでなく寒い冬の季節や受験などの大切な行事など心の支えとして飲んでいる。蜂蜜の甘さ、母と祖母の愛情がたっぷりと詰まった蜂蜜ドリンクは何より最強な薬である。生前の祖母とは会えていないが蜂蜜ドリンクを飲むと祖母が近くで見守ってくれているような気がする。
 私は今大学一年である。慣れない環境の中での生活は大変だがこの蜂蜜ドリンクを飲みたくさんの栄養と愛情で心を癒している。
 蜂蜜は私と祖母を繋げている赤い糸なのである。

 

(完)

 

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