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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

甘党革命

ブリしゃぶ

 

 「……革命や」
 そう口にしたのは、蜂蜜と出逢った最初の私。
 月日を遡り、今から五年ほど前の十二月のある日、砂糖を禁止された。
 それは、大学のゼミでの話。更なる飛躍の為にあなたの好きなものを教えて下さい。と言われ、何かのご褒美を期待した愚かな私は、甘いものと答えた。そして……
 「では、今この瞬間から砂糖を摂取することを止めなさい」
 「……はい?」
 この一言で、私は砂糖と暫しの別れを迎えた。
 先生、いやここはあえて……師曰く、好きなものを断つことで、自らを律し、甘えている自分から脱却する。というありきたりな根性論を突き付けられ、砂糖には麻薬以上の中毒性がある事を伝えられた。
 とはいえ、生きていく以上糖分は摂取しなければならない。
 砂糖ではなく、果物などの天然な糖分は良いとされ、その日から砂糖のいない日常が始まった。
 始めてみると、意外と苦なく過ごせていた。しかし、そんな余裕は直ぐに終わる。
 あのイベントがやってきたのだ。そう……
 『クリスマス』
 結論から言えば、私はショートケーキのイチゴしか口に出来なかった。これが生き地獄に足を踏み入れた瞬間。
 砂糖がダメなのでもちろんチョコレートは食べれない。つまり『バレンタイン』に貰ったチョコを食べれない(しかも本命からは貰えず……)。
 友人の誕生日や、先輩の卒業記念のお祝いのケーキも食べれない。
 溜まるストレス、抜ける髪の毛。
 追いつめられ、果汁百パーセントのジュースで糖分を摂取していた私は、『ホワイトデー』のお返し作りの時に、遂に出逢った。
 オーソドックスだがクッキーを作ろうとした私は、砂糖を使うと味見が出来ないと思い、冷蔵庫をあさる。
 ふと手にしたのが――蜂蜜だったのだ。
 今まで蜂蜜が出てこなかったのは、実は……蜂蜜が苦手だったからだ。
 その前提があり見て見ぬふりを貫いてきたが、耐えられなかった。
 無意識に指先に蜂蜜を垂らして舐める。
 「……革命成功や」

 

(完)

 

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