佐久乃浩佑
私はゲーマーなので、蜂と題されて思い出すのは、やはりゲームだ。
幼い頃遊んだゲームの内のひとつ、スーパードンキーコング(以下SDK)シリーズ。
SDKは2Dのステージ走破型アクションなので、ジャングルはもちろん、海賊船、洞窟など、様 々な場所を背景に、敵の待ち受けるステージを駆け抜けるゲームだ。私は1をあっという間にクリアして、すっかり得意げになっていた。
その二作目であるSDK2には、蜂の巣を題材にしたステージが登場する。
巨大な蜂の巣の中を何故か通り抜けながらクリアを目指すのだが、SDKシリーズは共通して難易度が高く設定されているため、当時十歳にも満たない幼い私は、大いに苦戦した。
はちみつで粘つく壁を登り、落下点に敵がいることに気を付けながら降り、ということを繰り返しては進んでいく。
残機を減らしては何度もゲームオーバーになりながら、ようやく蜂の巣ステージをクリア。
蜂の巣といえば、女王蜂が存在する、ということは幼い私も知っていた。それが出てこなかったな、とその時はどこか肩透かしを食らったような気分だったのだが。
続くステージをいくつかクリアし、そして出てきたのは、大きさが主人公たちの倍以上はある巨大な蜂の敵キャラだった。
出たー! と興奮を覚えたものだ。
今は当時と違ってネットが普及し、古いゲームの内容も検索すればある程度は調べることが出来る。それによると、その巨大な蜂の名前はキングB。
女王じゃないんかい!
そんなことは当時の私は知る由もないので、何も考えることなくクリアを目指していた。
ステージの趣向としては、追いかけてくるキングBから逃げるというものだったのだが、これがまた難しい。
ただ進むだけでも苦戦していたのに、進むのを急がなければいけないわけだ。
何度挑んでもクリア出来ず、結局、私はゲーム機の電源を落とし、それ以来サンタからプレゼントされたSDK2を遊ぶことはなかった。
(完)
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