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蜂蜜エッセイ応募作品

ゴマの花の蜂蜜

松浦一穂

 

 私の家庭菜園は、東に琵琶湖、西に比叡山 ・比良山、北には伊吹山が望める里山にある。
 春から初秋にかけてはトマト、キュウリ、ナスなどを栽培し、秋から冬にかけてはハクサイ、ダイコン、キャベツなど、多種多様の野菜を栽培している。
 変わったものとしてはゴマの栽培だ。国産自給率0 ・1%以下の貴重な作物である。ゴマの種子をいただいた人から、半夏生(はんげしょう)までに種を播き、倒伏に気をつけ、下段の鞘が割れ始める頃から収穫するようにと指導を受けた。忠実に教えを守りながら、もう10年以上栽培を続けている。 8月から下葉の脇から薄紫がかった白い花をつけ始め、茎の伸長とともに上へ咲き上がっていく。
 毎年感激することであるが、花が咲き始めるとどこからともなく次 々と多くの蜜蜂が飛来してくる。花は斜め下向きにラッパ状に咲く。蜜蜂はその中にもぐりこんで蜜を吸うようなことはせず、花托に近い底の部位に、花弁の外から口吻を差し込んで花の蜜を吸う。この方法だと短時間に多くの花の蜜を吸うことができる。賢いやり方だと感心する。花弁にどんな孔をあけているか気になる。肉眼では分からなかったので、虫眼鏡を出して調べてみた。それでも口吻の差し込み孔を見つけることはできなかった。本職の仕事だとまた感心する。
 蜜蜂は何個か何十個かの花から蜜を吸った後、里山へ帰って行く。空中を素早く飛ぶので追跡のしようもない。運良く巣が見つかれば、貴重な「ゴマの蜂蜜」がいただけるのにと、うらめしい気持ちで里山を見上げた。
 どこかで「ゴマの花の蜂蜜」を売っていないだろうかと探してみた。やっとのことで一か所見つけた。ゴマ産地の奄美群島喜界島の薬草園が販売していた。我が家庭菜園の蜜蜂が運んでくれた蜂蜜だとイメージし、芳香を嗅ぎながら高貴薬のように「服用」している。
 三歳の孫娘は、「はちみつだーい好き」といって、パンにつけて嬉しそうに食べている。

 

(完)

 

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