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蜂蜜エッセイ応募作品

熱殺蜂球参加蜂の余命(前)

渡辺 碧水

 

 筆者(渡辺)は既に、二〇一九年四月、本欄において「ニホンミツバチの熱殺蜂球」の題名で、スズメバチに対抗する「熱殺蜂球」の様子について書いた。
 二〇一九年十二月に本欄掲載の端広こうさんの寄稿「蜂蜜の論文に感動」には、「熱球の最も高温になる最前衛は年配の蜜蜂、……熱殺蜂球に参加すると余命も減ることも承知の上で」とあった。
 興味深い内容であったので、その研究の詳細を知りたいと思い、手探りでネット上に公表されている最近の学術論文を探してみた。
 端広さんが感動したという論文と思われるものを見つけた。行動生態学と社会生物学に関する国際学術誌『BES』に二〇一八年七月七日、オンライン公開された論文である。
 玉川大学の研究グループ(山口悠太氏、宇賀神篤氏ら六名)によるもので、日本語論文名は「スズメバチに対する発熱蜂球は諸刃の剣:天敵撃退の代償としての蜂球参加蜂の余命短縮とそれを踏まえたフォローアップ戦略」とあった。
 まず、研究の発表概要を紹介する。
 
 日本在来のニホンミツバチは、天敵オオスズメバチの襲撃を受けると、集団でスズメバチを取り囲み発熱して蒸し殺してしまいます。この「熱殺蜂球形成」は、昆虫が熱を利用して外敵を撃退するという大変ユニークな行動です。
 今回、研究グループは熱殺蜂球を形成することによりミツバチ側が受ける影響を検討しました。その結果、
一、蜂球に参加したミツバチは蜂球内の高温により著しく短命化すること、
二、短命化したミツバチが以降の蜂球形成の機会に蜂球の中心付近に集まりやすくなること、
を見出しました。
 これらの結果は、熱の利用に伴うコストが存在すること、さらには、ミツバチがそのコストを低減する戦略を持ち合わせていることを意味します。(筆者注:コストとは「損失」を意味する)
 
 研究の意義としては「熱殺蜂球を形成することによりミツバチ側が被る悪影響及びその軽減策の存在を世界で初めて明らかにし、巧妙な防衛行動の隠された一面に光を当てることに成功した」とされる。
 【熱殺蜂球参加蜂の余命(後)へ続く】

 

(完)

 

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