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蜂蜜エッセイ応募作品

夏ミカンの蜂蜜

池田恵美子

 

 私が子供の頃、家には大きな瓶に入った夏ミカンの蜂蜜がありました。たぶん、知り合いから毎年購入していたのだと思います。
 『この蜂蜜は夏ミカンの花粉で取れた蜂蜜で、蜂蜜の中でも凄く美味しいのよー!』
 と、自慢げに話す母の笑顔が強く心に残っています。
 夜になるとホット蜂蜜を作ってくれました。その味は名の通り夏ミカンの良い香りがして、飲むと子供心に少し酸味が強くて酸っぱい感がありましたが、毎晩楽しみに飲んでいました。
 そんなある日、学校の給食に蜂蜜が出たのです。丸い頭の部分をくるくる回して取り、パンの上にしぼる定番のやつです。それを初めて使ったとき感動しました。
 そしてその味が、甘くて美味しい!
 うちの蜂蜜と違ってノーマルで美味しい!
 その日、家に帰って母に言いました。
 『普通の蜂蜜の方がいいなー、これは嫌』
 と…そしてそれからホット蜂蜜を飲まなくなりました。その数日後、母は普通のホット蜂蜜を出してくれました。私は、これこれ、と喜んで飲みました…が…なにか物足りないのです…いつもの方が美味しい…
 悲しいことにその後の記憶はありません。
 大人になって蜂蜜を見るたびに夏ミカンの蜂蜜のことを思い出します。
 あの時お母さんに悪いことしちゃったなー!
 あの時の味が懐かしくて探してはみるものの、たどりつけません。それに私にとって蜂蜜はとても高価で、小さい瓶で買うのだけれど、貧しかったあの頃はどうだったのでしょう。健康お宅だった母はお金がないなりに一生懸命体に良いものを取り入れてくれていました。
ありがとう、天国のお母さん!
 もう一度一緒に夏ミカンのホット蜂蜜を飲みたいなー!

 

(完)

 

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