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蜂蜜エッセイ応募作品

再生農地で蜜源確保(一)

渡辺 碧水

 

 四年以上前から続いているテレビ放送に「あいつ今何してる?」がある。関心をそそる志向のドキュメントバラエティ番組である。
 そんな感覚で興味を示すのは軽率かも知れないが、二〇一九年の台風災害などで全国的に危機的な蜜蜂不足が生じている現在、あの後の様子を知りたい農家がある。
 そこで、その後の状況をネット検索の情報で追ってみた。
 十年以上も前の二〇〇九年に全国的に襲った交配媒介(授粉)蜜蜂不足の危機的状況の際、ハウス栽培において、既に先駆的実践を始めていた兼業イチゴ農家である。
 それは、福島県矢祭町下関河内地区の「みつばち菜花クラブ」(当初、近藤隆夫さん、益子孝一さんら四人で二〇〇九年九月に設立、会長は近藤さん)の人たちである。彼らが掲げた「再生農地でミツバチの蜜源確保を行う」という取り組みの意図にも、感心させられた。
 彼らは、既に始まっていた全国的蜜蜂不足によるハウスイチゴ生産の交配に危機感を感じ、二〇〇七年から自ら独自に蜜蜂飼養を試し始めた。レンタルで導入していた蜜蜂が容易に入手できなくなるのなら、素人ながら自分たちで蜜蜂を飼ってみようとなったらしい。
 蜜蜂を死滅させることなく、元気なままで使い続けることができれば、結局、イチゴ生産の経費も安上がりになる。
 また、蜜蜂の飼養に必要な蜜源確保のために、後継者不足や基幹作物後退で放棄されている荒廃耕地を蘇らせ、菜の花やソバやひまわりなどを作付けすれば、荒れ地再生で有効活用にもなる。
 殺伐とした荒れ地が減り、花が咲き誇り、自然に満ち溢れれば、おのずと明るい生活環境が整う。
 まさに「一石二鳥」というわけである。
 だが、その後の状況を紹介する前に、イチゴのハウス栽培においで、①人手でもよさそうな授粉作業をなぜ蜜蜂に頼らなければならないのか、②さらに、イチゴ自体が蜜源花になるのになぜ他に蜜源植物を確保しなければならないのか、疑問も抱く。
 これらを先に明らかにしておかないと、説得力に欠けることにもなるだろう。
 【再生農地で蜜源確保(二)に続く】

 

(完)

 

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