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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂を補完するハエ登場(一)

渡辺 碧水

 

 以前の寄稿で、蜜蜂の働きを代替し補完するハエの活用にふれ、その実態を探ってみたいと書いた。それがようやく実現し、概要を把握し得たので整理して紹介する。
 施設園芸(ビニールハウスや温室などの施設を用いた農業、イチゴ栽培など)で、近年、新しい花粉媒介(交配、授粉)昆虫としてハエ(ヒロズキンバエなど)の活用が注目され、蜜蜂の働きを補い、生産性向上に向けて導入する園芸農家が次第に増えている。
 「新しい媒介昆虫」といっても、既に花粉交配用蜜蜂不足の危機的状況にあった二〇〇九年春には、主にイチゴ栽培でミツバチ科マルハナバチ属クロマルハナバチなどの導入例が代替策として報告されている。(メロン、スイカ、ナシ、サクランボなどは人工授粉が主であった)
 二〇二〇年一月現在、我が国の最大研究機関である農研機構(国立研究開発法人)の協力の下、主にイチゴ栽培用としてリーフレット「利用マニュアル」が作成され、普及に力を入れられているのは商品名「ビーフライ」(ヒロズキンバエ)の活用である。
 このハエは、元は医療用として、やけどや糖尿病で壊死した部分などを治療する「マゴットセラピー」に活用されてきた。イチゴの授粉に使う研究が本格化したのは、二〇一一年ごろ。二〇〇九年に蜜蜂不足で蜜蜂の導入価格が高騰したことから利用研究が始まった。
 農業の現場に応用する契機になったのは、蜜蜂が活動できない季節や地域では受粉作業に野生のハエを利用している、という新聞記事に載った農家の話だった。そこで、農業用資材としての開発がスタートした。
 ビーフライは、西洋蜜蜂との併用や単独利用が想定されている。冬季の蜜蜂の授粉効果が低い低温寡日照地域を中心に導入することで、蜜蜂の活動不足や過剰訪花が原因で生じる奇形果実の発生を減少させることもできる。
 農研機構生研支援センターが実施した革新的技術開発 ・緊急展開事業を活用して、ビーフライを安定的に利用するための技術研究が行われてきた。
 【蜜蜂を補完するハエ登場(二)に続く】

 

(完)

 

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