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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂不足原因の一考察(後)

渡辺 碧水

 

 【蜜蜂不足原因の一考察(前)から続く】
 県外移動の際には、養蜂振興法(一九五五年制定)にしたがって、移動先の都道府県で行政や有識者を交えての転飼調整会議を行い、知事の許可を得る。が、実態は徒弟制度を背景とした「スジ」や「ナカマ」を軸にしたなわばりが各地に形成されており、各地のボス的な養蜂業者が利用権に関する実権を握っているのが現状である。
 全国各地の現在のなわばり形成は、地元飼育者と移動飼育者の対立から生じており、地元が強い地域では外部から入地させない努力を図ってきた。有力な地元飼育者が存在しない地域では、移入外部者が既得権を主張してきた。
 なわばりの定義は曖昧で、常に争いが絶えない状況が続いた。一九四〇年代後半になって、なわばりを法的に固守しようとする動きが生じた。各都道府県での転飼条例や養蜂振興法の制定である。
 条例や法の整備は、養蜂業に一定の公平なルールをもたらした一方で、既存のなわばりを維持する働きをした。また、自由な移動が困難になった結果、新規参入が実質困難になったため、後継者を充分に育てられなかった。今日、空場所があっても利用者がいない例も見受けられる。
 蜜蜂不足の背景には、なわばりによって花蜜資源の有効利用が阻害されている面と、新規養蜂者が参入しにくい状況が生じている面とがある。
 今後、蜜蜂不足問題の解決には、なわばりを越えた有効な資源配分を業界全体で再考することが必要であり、同時に、全国で花蜜資源を増加させることで養蜂業が安定経営を行いやすい環境づくりを進めることが重要である。
 
 以上、ユニークな視点からの蜜蜂不足の背景の研究を紹介した。この研究発表後十年以上を経過した今日、果たして指摘されていた課題は円滑に改善されているであろうか。そうあると思いたい。
 二〇二〇年一月現在、公立鳥取環境大学環境学部環境学科准教授である柚洞(ゆほら)一央氏は、以前から国内外での聞き取り調査を中心として、養蜂業における花蜜資源利用の実態について明らかにしてきた。現在も「養蜂からみる人と自然のつながり」などを研究テーマとしている。

 

(完)

 

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