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蜂蜜エッセイ応募作品

ミツバチ様に感謝

風早 爽

 

 昭和30年代半ば、小学生の私は年に数回、両親や祖父母とデパートに買い物に行った。その時は、一張羅の服を着て背筋を伸ばして緊張して出かけたものだ。
 楽しみは二つ。ひとつはおもちゃ。もうひとつ、それは大食堂に行くこと。これが最高の楽しみといっても過言ではない。注文するのはいつも決まっていた。ホットケーキだ。
 普段甘いものといえば、祖母が偶に作るおはぎや、駄菓子程度なので、ホットケーキは垂涎の代物。焼きたてのホットケーキにバター(マーガリンだったかもしれない)を塗って、蜂蜜をかける。そして切り分けて徐に口に運ぶ。
 何とも言えない香り、ふんわりと蕩けるような柔らかさ、そして絶妙な甘さ、至福の瞬間だ。大げさではなく目の前がバラ色の世界になる。
 その後も食べていたと思うが、成人になるとアルコールに軍配が上がった。ところが50代半ばを過ぎると、昨夜のアルコールがまだ残っている日など、疲れを感じることがあった。
 飲み仲間とそんな話をしていた時、ローヤルゼリーを勧められた。数日後薬局で買い求め、会社の机の中にしまっておいた。
 週末、朝から何となくだるい。早速引き出しからローヤルゼリーのチューブを出し、口に入れると甘くかつ濃厚。これは効きそうだと思った。
 暫くすると疲れが和らいだ感じがして、頭までスキッとしてきた。気のせいではない。成分である各種アミノ酸とメチオニンが心身の疲労に効果があるそうだ。
 この魔法薬のお蔭で65歳まで元気に現役を続けられた。そして今、体のことを考えて節酒し、時 々は家内とホットケーキを食べに行ったりしている。
 蜂蜜は、少年の私を夢見心地にしてくれ、ローヤルゼリーは会社生活を支えてくれた。ミツバチに感謝している。

 

(完)

 

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