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蜂蜜エッセイ応募作品

幸せの一杯

ぷーさん

 

 「はちみつレモンのみたい」
 風邪を引いた朝、私の手元にマグカップが渡される。お気に入りのマグカップ。ほんのり漂う甘い香り。飲んでみれば、乾燥し切ったのどに痛いぐらいに染み渡る。甘ったるい飲み物がのどをコーティングするような感覚がたまらない。甘いとはいえ、私好みの甘さにしてあることに母親の温かさを感じる。風邪で頭がぼーっとして体はつらいはずなのに、なんだか穏やかで幸せでいっぱいになる。風邪を引いた朝は、ちょっぴりつらいけどちょっぴり温かい優しい朝だ。
 大学生になって上京し私は一人暮らしをしているが、最近は友達がよく泊まりに来る。気付けば孤独を感じることは少なくなり少し生活が賑やかくなった。ある時、友達が風邪を引いて家に遊びに来た。移しに来たのか?それでも頻繫に遊びに来てくれるのは嬉しい。夜遅くまで語り合いいつのまにか寝てしまった。気づいたら朝になっていた。格段に寒い朝だった。そういえば今日から、真冬の寒さだったな。案の定友達の声はガラガラだった。風邪も悪化している。早く寝ればよかったのにと思っても遅い。薬も飲ませたがずっとつらそうにしている。少しでも元気になってくれないかな。気づいたら私は、はちみつレモンを作っていた。友達は甘党だからはちみつは多めにレモンは少なめに。
 「おいしい」その笑顔でわたしはすごく幸せになった。そして母親も今の私と同じ気持ちだったのではないかと思った。自分と母親の姿が重なったときこんなにも幸せな気持ちになれるのか。胸がいっぱいになった。
 次の日も友達は家に泊まった。まだ風邪は治らないみたいだ。のどが痛みがひどいらしく、これは少し長引きそうだ。
 「はちみつレモンのみたい」
 まさかのリピート。そんなにおいしかったのだろうか。はちみつとレモンをお湯の中に入れるだけなのに?でもなんだかとても嬉しかった。いくらでも毎日でも作ってあげたい。母親私に対してずっとあたたかったようにわたしも母親のようなあたたかい人になりたい。

 

(完)

 

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