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イチゴ栽培危機は蜜蜂不足

渡辺 碧水

 

 二〇一九年十二月二十四日、令和初の「クリスマス」の前日、私にとっては「大腸癌切除手術」の前日だった。
 病室で何気なくテレビでニュース番組を観ていた。NHK総合の「おはよう日本」で「イチゴ栽培の危機!蜜蜂不足」が話題に。身を乗り出して注視した。
 どうやらクリスマスケーキ作りにからめて話題にされたようだ。
 イチゴはクリスマスケーキに欠かせない。そのイチゴの栽培が今後、難しくなるかもしれないという大危機に見舞われているという。
 原因は蜜蜂の不足。イチゴは昆虫に花粉を運んでもらって受粉し、実をつける。イチゴ農家は、借り入れた蜜蜂の巣箱をビニールハウスに入れて、蜜蜂に授粉させるのが一般的である。
 一九年は、その蜜蜂を大きな危機が襲った。全国的に相次いだ強い台風。養蜂場では約四分の一の蜜蜂が被害を受けたため、授粉用に貸し出す蜂や蜂蜜を採る蜂が不足状態となった。
 全国の農家に蜜蜂を貸し出している出荷業者は、蜜蜂不足が深刻で、クリスマス期の需要には応えたものの、今後の要請には対応が困難だという。
 話題はさらに発展した。実は台風の前から蜜蜂の生育環境が世界的に悪化している。疑わしい原因の一つは農薬。もう一つはダニ。地球温暖化の影響で蜜蜂の幼虫やさなぎに寄生するダニが影響していると、コメンテーターは解説した。
 では、蜜蜂に代わるものがあるのか。世界的に注目されているのが米国のハーバード大学で研究開発中のロボット蜜蜂。日本では、花粉が付きやすいように馬の毛を取り付けた小型ドローンも開発中。しかし、これらはまだ開発の途上。
 農業総合試験場などの研究を経て、既に増えつつあるのがハエによる授粉。ただハエも生存期間が約三週間と短命のため、費用と手間がかかるのが難点。蜜蜂への依存は変わらない。
 養蜂業団体は、蜜蜂不足が深刻な地域を調べ、農水省の協力の下で、他の地域から融通するなどの対策でなんとか乗り切りたいとしている。
 二〇年以降はどうなるのか。わが身に返って、増えるかもしれない転移癌が気になった。

 

(完)

 

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