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蜂蜜エッセイ応募作品

キラービー(殺人蜂)を飼う!

渡辺 碧水

 

 蜜蜂の絶滅危機が続いている状況を受けて、一匹一匹の生命力を強くすること、つまり、健康的で強い免疫力を持った個体にすることで危機を乗り切る方法がある。前稿の「スーパーミツバチを作る!」で紹介した。
 ここでは、キラービーを上手に飼い馴らすことで危機を乗り切る方法を採り上げる。
 「キラービー」とは、和訳すれば「殺人蜂」。正式には「アフリカナイズドビー(アフリカ蜂化ミツバチ)」という。ヨーロッパ種とアフリカ種の交配による雑種の蜜蜂。防衛本能に基づく執拗な攻撃性が特徴。刺されて死亡した例が多いため、人 々に恐れられて、俗称「キラービー」と呼ばれるようになった。
 かつてブラジルのサンパウロ大学で実験的に飼われていた蜂だが、偶然、実験室から二十六の群れが逃げ出したもの。六十年ほどの間に旺盛な繁殖力で生息範囲を北に広げ、中南米を経てアメリカ大陸に達した。
 キラービーと西洋蜜蜂との交雑が繰り返されため、最近ではアフリカ蜂由来の遺伝子がかなり薄まり、攻撃性が弱まり、温厚になってきている。交雑割合は様 々なため、見た目でキラービーを判別するのは難しいほどに。とはいえ、多くの地域では、まだ侵略的外来種扱い。
 何度も紹介したドキュメンタリー洋画『みつばちの大地』でも取り上げられたように、既にキラービーを捕まえ、隔離した蜂場に移して飼っている養蜂家がいる。砂糖水を与えると、それを貪るように飲むという。
 米国のフレッド ・テリーという初老の男性は、あえてキラービーを飼う理由を「この蜂は見たことがないほど凶暴だ。しかし、病気にならないし、良質なハチミツを作る」と述べている。
 攻撃的で扱いにくいのだが、プロポリスなどを集める能力に優れており、病気にも抵抗する生命力の強さが買われて、ブラジルなどでは多くの養蜂家がキラービーの飼育を増やしているそうだ。
 テリーは言う。「彼らは飼い馴らされることなく今までやってきた蜂たちだ。きっと彼らは人類が滅びた後も生き続けるだろう」と。

 

(完)

 

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