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蜂蜜エッセイ応募作品

進化したロボ雄蜂が花粉交配?

渡辺 碧水

 

 二〇一九年六月末、雄蜂が一段と進化したことが報道され話題になった。
 と言っても、米国のハーバード大学が開発中の昆虫サイズ極小飛行ロボット ・ドローンの話。大きさはペーパークリップの半分ほどで、重さは十分の一グラム。光を自分の太陽電池に集めて飛び、光のある所なら無限に飛び続けることができるまでに進化した。
 この大きさでは、飛ぶこと自体が難題だった。小さければ、昆虫のように離着陸も飛行も簡単にできると思うが、自己動力の飛行は小さいほど難しく、昆虫の飛行は私たちが自然界で出合う中では奇跡のような偉業なのだそうだ。
 それに近づくように技術改良を重ね、四年前には水中で泳げるようになり、二年前には水から跳び出すことができるようになっていた。
 英語で「雄の蜜蜂」を意味するドローンは無人飛行機の総称だが、語源「雄蜂」の由来は、第一次大戦中に英国海軍で開発された標的機「女王蜂」にちなんで、米国海軍開発の標的機に名づけられたという説が有力である。飛行の際の「ブーン」という音が雄蜂を連想させることから、その説が一般化したとも考えられる。
 実際の蜜蜂の雄蜂は女王蜂との交尾以外は何もせず、巣内で無為徒食の日を過ごすだけだから、ドローンという言葉には「怠け者」の意味もある。だが、このロボットが今後もさらに進化し続けば、たとえ働き蜂の減少で農作物の花粉交配作業が困難化したとしても、授粉機能搭載の「ロボ雄蜂」が応援に加わり、「怠け者」の汚名返上の時がくるかもしれない。
 自動操縦の空飛ぶ授粉機器の実現で、養蜂依存が軽減されれば、蜜蜂も本来の姿を取り戻し、花蜜集めに専念し、良質な蜜づくりのために花から花へ飛び回る日が訪れるに違いない。
 先端技術の革新は養蜂文化の転換や一層の発展にもつながるだろう。蜜蜂から受けてきたこれまでの恩恵に対する報い方としても、光明を感じる話題の一つである。

 

(完)

 

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