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蜂蜜エッセイ応募作品

女王蜂誕生の仕組み(前)

渡辺 碧水

 

 大腸がん手術を待機しながら、蜂蜜エッセイ執筆に打ち込む私に、英語塾教師をしている娘から「女王蜂って、すごい闘争で決まるんだね!」と、驚きの感想も添えて、題材の提供があった。
 高校卒程度とされる英語検定二級の問題集の中で、英文和訳問題例に女王蜂が決まる仕組みが用いられていた。解答例は次のように示されている。
 
 …それぞれのコロニーにはたった一匹の女王バチがいるが、その女王バチは、女王になる可能性がある多くの雌バチの中からその地位を獲得しなければならない。巣室の中にいる間に、潜在的な女王バチはローヤルゼリーが食事として与えられるので、ある時点で女王の座を占める能力を持つようになる。これらの潜在的な女王は自分の巣室を飛び出した後、戦闘を行い、一匹だけになるまで争い続ける。勝ち残ったハチはその後、古い女王バチを追い払い、そのコロニーの主導権を握るのである。
 
 これを読んだ私も驚いた。女王蜂の誕生の仕組みについて、知っているつもりでいたが、こう明快に書かれた文に接すると、「うん、まあ」と曖昧に返事するしかなかった。
 こういう説明もあるのかと、違和感を覚えながら、自分の曖昧な理解に気づかされる。一方で、試験問題だから、事実とは異なる惑わす要素も含めた文にしたのではないか、との疑念さえ抱いてしまった。
 女王の地位にふさわしい能力を獲得し、激しい闘争に勝ち、何万匹というコロニーの主導権を握るというのは、事実とは異なるとの理解に立つ。
 コロニー内で唯一産卵の役割を果たすとはいえ、人の世界での女王像は蜜蜂社会にはそぐわない。蜜蜂社会は「リーダーなき秩序社会」だから、主導権を女王蜂が握るというのは、やはり適切な表現ではない。そんな座や地位は存在しないはずだ。
 既存の英文の採用か、単なる試験問題用の英作文かは未確認ではあるが、私自身の理解の不十分さも否めない。曖昧な理解を確かなものにするために、いま一度、女王蜂誕生の仕組みを再確認したい気持ちが強まった。
 【女王蜂誕生の仕組み(後)へ続く】

 

(完)

 

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