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蜂蜜エッセイ応募作品

ミツバチとともに

御村明日香

 

 わが家にミツロウクリームが届いた。以前活動していたトラスト団体が、私の出産を聞きつけて、贈ってくださった。小さな容器に入った手作りのクリームは、なんとも愛おしく感じた。
 トラストには養蜂グループがあり、農業活動のオヤツに、蜂蜜を配ってくれた。私はこの味見のために参加していたようなものだ。「休憩ですよー」と声が畑にひびくと、みんな手をとめて吾妻屋のほうを見る。私なんか、手伝うふりをして一目散。吾妻屋では、農家のお母さんたちが、小さく切ったパンをせっせと並べている。その上に、渡された瓶から黄金色の蜂蜜をたら~りと垂らす。一枚一枚、光を浴びて輝いていく。ちょっと手にこぼれた蜜を、一口舐めると、じんわりと濃い甘みが舌いっぱいに広がった。仲間たちも、次 々と手を伸ばしては、顔いっぱいに笑みを広げている。理事の先生が、「これは、みなさんのトラスト活動の結晶ですね」とおっしゃった。そちらを見ると、自然の光に照らされて満たされたお顔。ミツバチが一生かけて集められる蜜は、スプーン一杯分だという。なんとありがたいことだろう。
 私たちは、ミツバチの命がけの働きから蜂蜜だけでなく、さまざまな恩恵を受けている。風邪のときに夫は、プロポリスが欠かせない。そして、この度届いた小さなミツロウクリーム。これから迎える秋冬、子どもの肌を、私たちの手を、乾燥から守ってくれることだろう。果物や野菜が食べられることだって、ミツバチが受粉してくれるおかげだ。今この瞬間も、彼らがもたらす自然界の調和の中に、私たちは生かされている。
 ミツバチさん、どうもありがとう。そしてこれからも、たくさんの生きとし生ける命が栄えるよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(完)

 

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