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蜂蜜エッセイ応募作品

「虻蜂とらず」の由来(補)

渡辺 碧水

 

 六回にわたって、諺「虻蜂とらず」について、蜘蛛(クモ)研究の権威者 ・新海栄一氏の記述を補充し、明確化する試みをした。
 その作業過程で知り得た事柄で、新海記述と直接的な関係がなかったため省略したことを少し追加しておきたい。今後、関心を持ち調査を進めたい人に手掛かりとなり得る貴重なものと判断されるからである。
 次の古い資料の復刻文献集は諺研究の基礎として、宝庫として非常に有効であると思われる。
『俚諺資料集成』(全十二巻)金子武雄監修、ことわざ研究会鯿、大空社、一九八六年六月発行
『ことわざ研究資料集成』(全二十一巻)北村孝一 ・時田昌瑞監修、ことわざ研究会鯿、大空社、一九九四年四~十一月発行
『続ことわざ研究資料集成』(全二十巻)北村孝一 ・時田昌瑞監修、ことわざ研究会鯿、大空社、一九九六年四~九月発行
『ことわざ資料叢書』(全十二巻)ことわざ研究会鯿、クレス出版、二〇〇二年六月発行(「第一輯」に相当の書)
『ことわざ資料叢書』第二輯(全十巻)北村孝一監修、ことわざ研究会鯿、クレス出版、二〇〇三年十月発行
『ことわざ資料叢書』第三輯(全十巻)北村孝一 ・伊藤高雄監修、ことわざ研究会鯿、クレス出版、二〇〇五年七月発行
『ことわざ資料叢書』第四輯(全十巻)北村孝一監修、ことわざ学会鯿、クレス出版、二〇一三年四月発行
 これらの資料などの中で、新海記述において最初だとされた一八三八年の「虻蜂取らず」以前に記された用例の存在が確認されている。時期をさかのぼる形で、類例を含め用例を挙げてみる。(古い記述では平仮名又は片仮名書きと思われるものもある)
「あぶもとらずはちもとらず」(四世鶴屋南北作、歌舞伎『お染久松色読販』中幕、一八一三年三月、江戸森田座初演)
「あふもとらすはちもとらす」(鍬形蕙斎筆『諺画苑』一八〇八年)
「虻も取らず蜂にさされたる顔付」(松葉軒東井鯿『譬喩尽並ニ古語名数』一八〇〇年)
「虻も取らず蜂も取らず女衒も泣き」(俳諧『吾妻録』一七六九年)
「あぶもとらず蜂もつかず」(本居宣長編、写本『言彦抄』一七〇四~一一年ごろ)
 探せば、更に見つかり、この言葉の起源や、ことわざ化の端緒となった逸話などの存在も明らかになるのではなかろうか。後進に期待し、あえて資料として書き残しておく。

 

(完)

 

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