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蜂蜜エッセイ応募作品

松本グルメ

高橋プゥ子

 

 長野県松本市に出張があった。
 松本駅前のビジネスホテルに荷物を預け、駅前の飲食店で名物の蕎麦を軽く食べた後、仕事を済ませた。夜は居酒屋で名物の馬肉に舌鼓を打った。
 翌日、昼の新幹線で帰る予定にしていたので、駅ビルの二階にある土産コーナーに立ち寄った。忌 々しい会社のお友達に土産を買わねばならない。お友達といっても、彼女は部署全員の会計や雑品購入などの事務仕事を請け負っている、仕事仲間である。彼女の機嫌を良くしておくことは部署内全員のストレスを無くすことにもなるのだ。彼女の土産の要求は正直、鬱陶しい。此方は仕事で地方に足を運んでいるのに、まるで私的旅行のように思っている様子なのだから頭にくる。色んな所に会社のお金で行けて良いですね、私なんか会社から出たことないんだから罪滅ぼしにお土産くらい買ってきてよ。買っていったら、なんだ、また東京のバナナですか、バナナは飽きました、という。飽きたというのに一人で3個は食べる。
 さて、私は瓶の中に液体と共に沈んでいた蜂の子を見つけた。これが噂に聞く食虫食品か。恐る恐る手にとって土産にするかどうか悩んだ。高価なのだ、とても。しかし、彼女に振る舞う土産としては最適ではないか。悪戯心もあって、蜂の子瓶詰めを土産に決めた。
どうぞ、長野の名産です。
 ぎゃぁと叫ぶ声を期待して、そっけない素ぶりで彼女の机の上に置いた。
 ところが彼女は、懐かしい!と声をあげ、高かったでしょう?ありがとう、本当、嬉しい!と、嬉 々としている。聞けば、祖母の故郷が松本市らしい。
 私は肩透かしをくらったが、思わぬ形で彼女の絶対の信頼を手に入れることになり、とても平和で円滑な人間関係を築く事となった。どうしてあの難しい彼女を味方に出来るのか、蜂の子で手なづけたことは秘密にしている。

 

(完)

 

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