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蜂蜜エッセイ応募作品

目と羽がない蜂蜜色の小虫

渡辺 碧水

 

 図書館から借りた記録映画『みつばちの大地』のDVDを観ようとした時だった。未読の新聞が気になって、斜め読みを始めた。何枚かめくった時、社会面の小さな記事に目が止まった。
 <新種甲虫に「グレタ」命名>【ロンドンAFP時事】ロンドンの大英自然史博物館は二十五日、スウェーデンの環境活動家グレタ ・トゥンベリさん(十六)にちなみ、新種の小型甲虫に「グレタ」が入った名前を付けた。同館研究者で名付け親のダービー氏は「この若い活動家の取り組みに大いに感銘を受け、環境問題への関心を高めた彼女の貢献をたたえたかった」と理由を語った。新種の虫は、ムクゲキノコムシ科に属する蜂蜜色の甲虫で、目と羽がなく大きさは一ミリに満たない。一九六〇年代にケニアの首都ナイロビで発見されたが、長らく名無しだった。(『北海道新聞』二〇一九年十月二十八日朝刊)
 ああこれだと思った。偶然かもしれないが、私を導いたのは「蜂蜜色」という言葉だと確信した。
 確か「偶然も強い意志がもたらす必然である」だったと思う。今年の二月、NHKスペシャルで田中耕一氏のノーベル賞受賞後の苦悩の姿が放映されたが、その中で彼が語った言葉だ。
 私は、このところ蜜蜂や蜂蜜に魅かれてあれこれ探り、「蜂蜜エッセイ」書きに励んでいる。「蜂蜜色」の用例について調べたこともあった。それが頭の片隅に残っていたのであろう。
 数紙に当たってみると、この話題を採りあげた新聞の説明は「蜂蜜色、はちみつ色」と「黄金色」と色省略とに分かれていた。
 この小型甲虫のカラー写真を、AFPBBは拡大して伝えた。じっと見つめた。本来の「蜂蜜色」とは、まさにこんな色なのだろう。発見から五十年も経て命名された奇縁も、単なる偶然とは思えない。そんな気がしてきた。
 『みつばちの大地』は、緑豊かな大地と多くの生命を支える蜜蜂を描き、人の暮らしの有り方を考えさせてくれるという。観る前にうってつけの話題に出合い、わくわく感が高まった。

 

(完)

 

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