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「虻蜂とらず」の由来(一)

渡辺 碧水

 

 以前に四回にわたって、諺「虻蜂取らず(アブハチとらず)」について、意味や解釈について紹介した。
 三回で終わろうと思った途端、もっとやることがあるだろうと叱咤激励されるかのように、蜘蛛(クモ)研究の権威者 ・新海栄一氏の記述に出合った。更に確認の追究を自分でやってみた結果、その記述を補充し、明確化しておく必要のある事柄を見つけた。
 図書館通いをしているうちに、山深く分け入る探検のようなわくわく感にとらわれてしまった。新海氏の転載ミスや引用不足についての修正 ・補充にとどまらず、視点を由来考究に切り替えて、資料探しを試みることにした。
 この諺に蜂(と虻)が出てくるのには理由があるのでは? 遠い昔、この諺を生んだ逸話があるのでは? 蜜蜂絶滅の危機説とつながってくるのでは? 想像がふくらむ。
 あまりわかっていない由来を少しでも明らかにしたいとの思いが募る。由来の解明は「物事の起源とするところや物事が今までたどってきた経過」を明らかにすることである。
 「虻蜂取らず」は、今のところ、そもそもの起源がまったくわかっていない。だから、言葉(文字表現)そのものからは、意味が今一つピンとこないのである。
 ただし、少しずつかも知れないが、たどってきた経過はわかるはず。使われた用例を見つけ、比較検討することで、過去にさかのぼることは可能だ。頂上に至る裾野の探索はいっぱい残っている。新海氏の記述の確認の過程で、このことに気づかされた。
 ともすれば、用例の一つにすぎないものが、思い込みで起源(源典、初出)扱いにされがちになる。わかった気が更なる追究の気力を弱める。
 「虻蜂取らず」の場合にも、そんな一面があり、その時点の資料を説明に使い、わかったつもりや語源や由来は不明と割り切る気持ちにつながっている。
 今読み返すと、私が書いた「『虻蜂取らず』の意味(一~三)」もその例に漏れない。
 これから取り上げる資料も、素人の思い付きでやることだから、高が知れている。すぐに底を突くかも知れない。だが、少しでも何かがわかり、検討の材料や刺激となって一歩前進に貢献できたら幸いだ。そんなささやかな希望を込めて踏み出したい。
 「虻蜂とらず」にならないよう、まずは新海氏の記述の検討に限定してやってみる。
 [「虻蜂とらず」の由来(二)へ続く]

 

(完)

 

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