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蜂蜜エッセイ応募作品

話題を呼ぶブルービー

渡辺 碧水

 

 二〇一九年八月、九州での「ブルービー」の目撃情報が話題を呼んだ。
 「ブルービー」とは「青い蜂」のことで、黒色の胴体に鮮やかな青色の斑紋をもつ蜂の愛称である。蜜蜂の一種で、その際立つ美しさで飛び交う姿を見かける機会はめったにない。
 ブルービー(Blue Bee)は「幸せ(幸福、幸運)を運ぶ(呼ぶ)青い蜂」と珍重され、見かけた人はハッピー(な気持ち)になれるということで人気が急上昇。
 この大変珍しい蜂の情報を整理すると、次のようになる。
 和名は「ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)」。よく「ルリモンハナバチ」と紹介されるが、これは属名である。生物分類の階級にしたがうと、「昆虫綱→ハチ目→ミツバチ科→ルリモンハナバチ属→ナミルリモンハナバチ種」となる。
 成虫の体長は、雄が十~十三ミリ、雌が十一~十四ミリ。外見は宝石の瑠璃のような色で、頭部と胸部と体毛は黒、腹部背板に虹色の光沢と斑紋を成す羽状毛は鮮青色。足の縞まで青い。
 八~十一月に、林縁の草原や都市の観光庭園、植物園などで見られ、花蜜を求めて活発に飛び回る。好む花はランタン、マリーゴールド、センダングサ、オミナエシなど。花との対比が人を魅了する。
 主な生息地は東南アジア、中国、朝鮮半島などで、日本では本州、四国、九州。見かけることが稀有なため、京都府など五府県は絶滅危惧種に指定している。
 さて、「幸せ」を表す色は、普通、「幸せの黄色いハンカチ」という言葉があるように「黄色(黄金色)」なのであるが、「青い蜂」でも象徴されるのは、どうやら「青い鳥」にちなむ類想らしい。
 チルチルとミチルの兄妹が、妖精に導かれて幸福の象徴「青い鳥」を探し歩き、最後にわが家で見つけるという童話劇が有名である。ベルギーの劇作家メーテルリンク作の戯曲『青い鳥』(一九〇八年)が原作である。
 このように捉える「青」は、ドイツの詩人ノバーリス作の小説『青い花』(一八〇二年)に想を得て、非在の理想を表すようになったそうだ。

 

(完)

 

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