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蜂蜜エッセイ応募作品

心とろける、金色の甘い記憶

山本佳久矢

 

 職場で国産高級蜂蜜をもらった。百貨店の催事部に勤めてたときのことである。出社すると撮影のために買い取った食品がずらりと机に並んでいた。どれかひとつ好きなものをあげるよ、と上司が言ってくれた。わたしは黄金色の蜂蜜が入った大きなガラス瓶を選んだ。ハーブティーにはまっていたので、時 々ハーブティーに入れて楽しもうと思ったのだ。
 もらった瓶はとても大きく1キロの蜂蜜が入っていた。その瓶を見つめながら何に使おうか思いあぐねたわたしは、銀のティースプーンを差し入れてペロリとひと舐めして驚いた。いままで食べていた蜂蜜がニセモノに感じるくらい、それはそれは濃厚でおいしい蜂蜜だった。生まれて初めて本当の蜂蜜の味を知った気がした。
国産蜂蜜は風味豊かで滋味な分、価格が張る。一人暮らしで派遣で食いつないでいるわたしがとても選べる代物ではない。そんな中、ひょんなことからやってきてくれた国産蜂蜜。外国産の蜂蜜しか知らなかったわたしにとってその濃厚な味わいは衝撃のおいしさだった。
 少し考えてわたしは、レモンを買ってきた。輪切りにしたレモンと蜂蜜と交互に詰めてしばらくするとレモンの果汁がぐわっと出てきて、おいしい蜂蜜レモンができる。小さなジャムの空き瓶を二つ用意し、ひとつにはレモン、ひとつには金柑の輪切りを入れた。
 それでも半分の蜂蜜が瓶に残っていた。風邪を引くといつも喉にくるわたしは、風邪を引くたびにそのおいしい蜂蜜をぺろぺろと舐めた。喉の痛みで苦しんでるわたしに、神様がくれる唯一のご褒美だった。
 いまでもあの衝撃のおいしさは忘れられない。美しい金色の甘い記憶は蜂蜜を見かけるたびにとろりとわたしの心に流れ込む。またあんなおいしい国産蜂蜜を食べたいな、と事あるごとにわたしは思っている。

 

(完)

 

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