小林篤来
先日、口角がひび割れた。蜂蜜でも塗っておくかと、たっぷりと蜂蜜を塗った。予防のためにと、ひび割れていない方にもたっぷりと塗った。翌日も塗った。三日目には、寛解した。
母から受け継いだ民間療法だ。しかし、蜂蜜がひび割れに効くなどということが本当にあるのだろうか? 好奇心がわいてきて調べてみた。
インターネットを見てみると、薬効があるようなことが書いてある。図書館で二冊本を借りてきて読んでみた。驚いた。あるわあるわ、蜂蜜ひとビンで薬局ができるくらいにさまざまな薬効が書かれていた。
蜂蜜とワニの糞と硝石をまぜたものは、避妊に効果があるという。これは古代エジプトの処方なので、私は試みようとは思わない。
科学的に証明された薬効としては、火傷のときの塗り薬である。市販の軟膏より蜂蜜のほうが、早く治ることが外国の臨床例で明らかにされているそうだ。なるほど、トロリとした蜂蜜は、塗り薬にピッタリである。胃潰瘍に効くことも実証されている。火傷に効くなら、胃壁のただれにも効くのは納得できる。毎朝、トーストに塗り、紅茶にも入れて摂取すればよい。
目薬という用法もある。水で希釈した蜂蜜を点眼薬として使えば結膜炎や角膜炎に効くという。さらには、中南米の病院では、白内障の治療に使われているそうだ。
こんなので驚いてはいけない。虫歯が蜂蜜で治るという。蜂蜜で歯を磨けばむし歯や歯槽膿漏の予防にもなるのだそうだ。実際、日本のある医師は、毎日蜂蜜で歯磨きし、希釈した蜂蜜でうがいしているそうである。
もっと驚いたのは、日本薬局方で蜂蜜は医薬品として認められていることだ。いわゆる、生薬である。効能書きに「口唇の亀裂 ・あれには患部にそのまま塗る」とある。私の母は、日本薬局方を知っていたとは思えない。語り継がれてきた古人の知恵だったのであろう。
私は今、スーパーで買ったボトル入り蜂蜜をくすり箱に移すべきか悩んでいる。
(完)
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