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ミツバチと共に90年――

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蜂の子パワー

 

 長野県富士見町の父実家では蜂追いが盛んだった。半世紀以上前、お盆帰省時に、中学生だった僕も参加した。皮を剥いた蛙に目印付け、それを餌として巣に持ち帰る地蜂を追跡する、文字通り蜂追い。追手は、叔父と小学生の従弟3人に、父と僕。蜂は当然、藪も谷も無関係に飛ぶので、結構危険だ。叔父と従弟は現役、父は元野生児で、皆機敏に走る。東京生まれの僕は、ひとりモタモタするが、誰も待ってはくれぬ。巣までたどり着くと、今度は土に花火突っ込み、蜂を燻り出して巣を丸ごと採取。その夜、早速蜂の子ご飯、いやむしろ、成虫も一緒に炊き込むので、蜂親子丼の印象。美味かった。叔母従妹他、東京組は誰も食べない。山梨生まれの母でさえ。まあ、一般的にはゲテモノ、有体に言えば、蠅と蛆。テレビ番組でも、振舞われた人は「キャーッ」と逃げる。僕が平気で美味しく食べられたのは、昼の追跡劇で蜂を見慣れてしまったし、育ちざかりが山を走り回ったのだから。
 その後、僕は蜂追いはやっていないが、蜂の子は好物になり、東京でも手に入る缶詰をよく食べた。叔父が時 々送ってくれる野性味溢れる、つまり成虫の足や羽がイガイガするのも乙な味。酒の肴にも最適。母もいつの間にか食べるようになった。大体、見た目で喰わず嫌いな人が多いのだが、喰えば美味いのだ。地元吉祥寺の信州居酒屋でも食べたが、他のツマミと比べれば量のわりに値段が高く、飲み仲間でも食べられるヤツは少なかった。
 僕は現在68歳。健康で、現役のまま仕事を続けていられるのは、蜂の子滋養のお陰だ。そういえば、最近あまり食べてない。引退し年金生活になったら、高値の蜂となるかも。今のうちにせいぜい味わい、蜂の子パワーで稼いでおこう。

 

(完)

 

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