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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜レモンソーダの昼下がり

いしころ

 

 蜂蜜レモンソーダが飲みたくなるような話をしよう。

 ギラつく太陽が容赦なく熱をふりまく昼下がり。
 涼しい海に憧れたような突き抜ける青空と、ぽっかりと浮かぶ白い雲、焼け付くアスファルトは小さな蜃気楼を生み出していて、耳に届く音は蝉の大合唱ばかり。
 そんな灼熱の日には、通勤 ・通学のためにほんの少し外へ出ただけでもすぐに茹ってしまう人も少なくはないはずだ。かと思えば、一歩建物の中へ入ると今度は冷房の暴力、極寒の室内に身を震わせた経験は誰だってあるだろう。
 暑い、寒い、暑い、寒いの繰り返しで「快適」なんてものはどこへ行ってしまったのかと頭を抱える。
 生きているだけで疲れてしまうようなそんな日 々には、甘くて冷たい、弾ける飲み物が欲しくなる。なるに決まっている。
 グラスと氷とレモン汁と炭酸水、そして蜂蜜を用意しよう。
 氷は大きいものを一個の方が気分が盛り上がる。グラスは好き好きだが、透明なものの方が中が見えて楽しいと思う。
 グラスに氷を入れ、レモン汁と炭酸水を注いだら準備完了。スプーンにたっぷりの蜂蜜をすくいゆっくりグラスに入れて溶かすと……完成。

 一口飲めば炭酸によって弾けるレモンの酸味と蜂蜜の甘み。
 どんな蜂蜜を使うかによって味も様 々。飽きなんか来ない。
 融けた氷がカラン、と音を奏でれば、そっと涼しさが空気を震わせる。
 薄い琥珀がほんのり底に溜まったグラスの表面に現れる水滴たちは無数の夏を映し出す。
 蜂蜜の持つやさしいまろやかな甘みが冷えた炭酸の爽やかさと一緒になって流れ込む。
 派手すぎず控えめで、それでいて芯のある甘味の可愛らしい小さな花が、あなたの周りに涼しげに花開く。そよ風が吹き抜け、花 々や草木が楽しげに揺られる。
 そんな心象風景をなんとなく感じながら今までよりほんの少しだけ甘味の濃い最後の一口を喉に流し込めば、きっとなんとも言えない心地よさと満足感が残るだろう。

 大変なことがたくさんの毎日、来る暑い夏。
 爽やかな蜂蜜レモンソーダを楽しみに、きっと私は今年も頑張れる。

 

(完)

 

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