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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

いつだって私の隣に

小林咲希

 

 私の生きがいは、たくさんの人たちに『伝える』こと。そしていつも私の近くには君が居てくれた。
 君との出会いは去年、高校2年生の夏。風邪をひいてとってものどが痛かった。生きがいである『伝える』がしばらくできなくなって辛かった。のどの痛み、声が出ない辛さから涙が止まらなくなった。その時、友達がくれた蜂蜜ののど飴。のどに良いらしい。これを初めて食べた時のことをよく覚えている。口の中に優しくまろやかな甘さが広がっていく。この甘さは私の炎症したのどを包み込んでいき、心までも癒してくれた。
 蜂蜜に助けられ、すっかり体調が良くなった。いつも通り声も出るようになった。私は、蜂蜜にはのどの乾燥や炎症を防ぐ効果があることを知った。プロポリスという成分が良いらしい。今まで蜂蜜を口にすることは少なかった。ムシの巣からとったミツってなぁ…少し抵抗があるなぁ…。こんなことを考えていたこともあった。けれど、蜂蜜の効果を目の当たりにした。あの日食べた蜂蜜の味を私は忘れない。そして、私の生きがいには君が必要だ。そう強く思った。
 
 高校3年生、放送部最後の夏、そして最後の全国大会、私の出番の1時間前。原稿を片手に、私が立つステージを遠めから眺めた。あそこで読むんだ…。聴衆は発表者の方をじっと見つめて原稿の読みを聞き、審査員は聞き流しながらペンを走らせる。人に注目されるのが苦手な私は、1時間前にも関わらず手に汗がにじむ。それでもポケットに手を伸ばすと、個包装にされた君がいる。心強い、何も怖くない。
 1年間、ずっと一緒だったね。君のおかげで、風邪をひくことも声が枯れることもなかったよ。本当に感謝してる。自分の読みが上手くいかなかった時、顧問の先生の厳しい指導に涙した時、君の優しい甘さが私のことを癒してくれた。そして、いつも隣にいてくれた。
 「ありがとう。」小声でそう言って、ポケットから君を取り出し口の中に放り込んだ。
 
 「大好きだ、生きがいである『伝える』が。大好きだ、それを支える『蜂蜜』が。」

 

(完)

 

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