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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

私は「プー」

やすよ

 

 私は家族から「プー」と呼ばれています。
 食の細い姉と、いつも食べ物を取り合いケンカになる兄の下に、私は生まれました。服に描かれている犬の絵が、私が着るとクマになるくらい、ぽっちゃりとした食べることが大好きな女の子です。
 我が家では、日曜の朝は決まって母親がホットケーキを焼いてくれました。ホットケーキにバターとハチミツをのせて食べると、あまりのおいしさに二枚はペロッと食べてしまいます。この日も母のホットケーキを待っていた私。お腹が減った私の前にはハチミツが置かれています。たまらなくなった私は瓶のふたを開けてみました。ふたについていたハチミツが手につき、その手を舐めるともう止まりません。そのまま瓶に手を突っ込み、ハチミツを手に絡めてまるでプーさんのように食べ始めます。そしてそれを見ていた姉と兄が急いで母親を呼び、母が飛んできた時には、瓶は半分空になっていました。服も顔も髪もドロドロの私ですが、この事件があった時私はまだ三歳で、実はあまりよく覚えていません。しかし母や姉兄から我が家の珍事件として、お正月に家族が集まるごとに語り継がれています。そしてもちろん、このことがあってからの私のあだ名は「プー」となりました。
 そんな私も二人の娘を産みました。もちろん日曜の朝はホットケーキにたっぷりのバターとハチミツを乗せて、おいしくいただきます。そして、伝説の「プー」の話を娘に聞かせ、くれぐれも娘には同じ事件をおこさせないよう、ハチミツに目を光らせる私です。

 

(完)

 

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