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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の王と女王

渡辺 碧水

 

 自然界の蜜蜂の群れには、女王蜂は存在するが王蜂は存在しない。メルヘンの世界なら、王様蜂登場の物語もあってもいい気がするが、それもないようだ。
 一方、蜜蜂がつくり出す「蜂蜜」には、「王様」や「女王」と名づける讃称がある。一方だけに「様」が付くのは気になるが、たとえ俗称であっても、関心を引く点では面白い。自然界で最も甘い蜜とされる誇り高い格付けの蜂蜜であるから、その存在は興味深い。
 その名づけ方は日本と世界とでは少し異なるようだ。評判からの形容で、蜜源の相違による多数の品種の中から、品格の観点から選ばれている。ただし、明確な基準や客観的なデータに基づいているわけではない。
 まず、日本国内での讃称から見てみる。
 女王と称されているのは、白いアカシアの花を蜜源とするアカシア蜂蜜。透き通った色合いで、味も香りも癖のないあっさりした食感、果糖の多さ、結晶のしにくさなどの特長と、上品さを備えている点が女王にふさわしい品格なのだそうだ。
 王様と称されているのは、紅紫色のレンゲの花を蜜源とするレンゲ蜂蜜。きれいな淡い色、上品な香り、まろやかな舌触りなどから、人気が最高だそうだ。人気抜群と希少化し貴重な点が王様にふさわしい品格だというわけである。
 次に、世界的規模の讃称を見てみる。
 日本を含め、世界共通に「蜂蜜界の女王」と称されているのは「アカシア蜂蜜」で、様 々な視点から総括された品質の評価が高く、生産される量が豊かである点も大衆から愛されるゆえんである。
 王様の呼称に相応しい品種はいくつかに分かれる。最も絶賛されるのは、マヌカの花を蜜源とするニュージーランド特産「マヌカハニー」だ。今や、栄養食品を超え壮健 ・薬効食品として特に人気を呼ぶ存在である。
 人気上昇に蜂蜜の愛好層は厚みを増し、王様 ・女王様の評価も高まるであろう。
 野次馬的に付け加えると、キングとクイーンの名称は、ローヤルゼリーの商標名にあるようだ。

 

(完)

 

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