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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

養蜂家が見せたプロの技

渡辺 碧水

 

 「餅は餅屋」という諺がある。「何事にもそれぞれ専門があって、素人は専門家にはかなわない」ということだが、英語の類語は「どんなつまらない仕事にも秘訣がある」だそうだ。含蓄ある言葉だ。
 二〇一九年四月、都会のど真ん中で蜂騒動が二件あり、テレビで報道された。
 一つ目は三日、鹿児島市の繁華街 ・天文館。市電の電停に蜜蜂が大量発生。横断歩道の中央で車の進入を防止するブロック塀に密集したため、飛び回る蜂に戸惑う通行人らで現場は一時騒然となった。
 市電運転手の通報で、交通局職員が駆けつけて、殺虫スプレーで追い払おうとしたが、役立たず。別の職員が携帯型の送風機で吹き飛ばそうとしたが、蜂が飛び散り、逆に危ないと断念した。
 二つ目は十八日、東京都渋谷区恵比寿の商店街。路上に立つ「のぼり」に大量の蜜蜂が群がり、周りを飛び回った。JR駅に近く、飲食店などが並ぶ、通行人の多い街が「びっくり。怖い」と、一時騒然となった。
 区役所や保健所に複数の通報があり、区の職員が見回りに出向いたが、被害が出ないように注意を呼びかけ、見守るだけだった。
 いずれも、通行人や野次馬などが、遠巻きに「捕りもの」を見守った。そこに助っ人としてさっそうと現れたのが一人の養蜂家。手際よく事態を見事に収めて見せた。
 一つ目は、近くの商業施設の屋上で蜜蜂を育てる男性 ・養蜂家が巣箱を持って現れ、群がる蜜蜂の中にいた女王蜂を摘み出し、持参した巣箱に入れた。すると、他の蜜蜂たちが次 々と後に続いて箱に入った。
 二つ目は、都の要請で女性 ・養蜂家が蜂蜜の入った枠を仕込んだ箱を持って急行。現場に箱を設置すると、蜜蜂が次 々とおびき寄せられ、約一時間で箱の中に大半が入った。
 いずれも、この時期によくある西洋蜜蜂の「分蜂(巣分かれ)」の途中だったらしい。
 大衆が大騒ぎしているのを即座に一件落着させたのは、蜜蜂の習性を知るプロの技で、さすがと感心し拍手喝采だった。

 

(完)

 

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