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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂のペーパークラフト

渡辺 碧水

 

 養蜂場のブログで、二〇一九年四月中旬、長野県須坂市の日帰り温泉施設で「みつばちペーパークラフト」の個展が開かれた、との紹介があった。
 ペーパークラフトのみつばちということは、紙を素材に制作する蜜蜂の立体模型のことだが、養蜂場に寄贈された多くの作品の写真を見ると、見事な造りで本物と見間違うほどである。
 チラシの裏側を有効活用して楽しんでもらおうと、養蜂場が数年前から型紙を印刷して配布していた。切り取って、丁寧に貼り合わせれば、精巧な作品に仕上がるように、本物そっくり十倍大の型紙だった。
 何らかの反響を期待して始めたようだが、「ウンでもスーでもなく、何の反応もないのでしばらく抛っておいた」のだそうだ。
 ところが突然の訪問で届けられた作品は、チラシを縮小コピーするなどして大きさの違うものもあり、受け取った養蜂場の職員は「よくもまあ!」と感心することしばしだったらしい。
 完成すると本当の蜜蜂とそっくりになるので、型紙は一匹造るのも大変繊細な手作業を伴うのだそうだ。見事な出来栄えに、訪問者当人に聞いてみると、何と作者は切り絵作家の方だった。
 なるほど、それなら手先が器用であるから、「こんなものは朝飯前ですね! それにしてもよくもまあ!」と、その職員は改めて感嘆したようだった。
 とてもいい話だと思い、個展開催の前に型紙配布先へのご挨拶に訪れた作家の律儀さと、望外の活用があったことに感激した職員の驚き様を想像し再現してみた。
 切り絵作家による芸術ともいえる制作品の個展は、目を丸くして見入る温泉客を唸らせて、きっと成功裏に終わったに違いない。蜜蜂の勤勉さや蜂蜜の旨さを讃える、精魂込めた創意の作品などには、特長を生かした驚きやすごさが感じられるだろう。
 同じブログで、十数回、蜂蜜アートという絵画遊び的作品を見た後だっただけに、余計に感じ入った。働き蜂が一生かけて造る蜂蜜の量は、スプーン一杯に満たないそうだ。

 

(完)

みつばちペーパークラフト

 

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