渡辺 碧水
新聞を読んでいて、一ページ大の全面広告に出会った。蜂の子の広告である。
蜂の子は「長生き県」として有名な長野県などで伝統的に食されている滋養食。その歴史は長く、中国では二千年以上前から食されていたと言われている、とあった。
この記述から、長生き県として有名な長野県では、伝統的に長く滋養食(身体の栄養となる食べ物。長寿の秘訣の逸品)として「蜂の子」が食べられてきた、とも読める。
ちなみに、本には蜂の子は「クロスズメバチなどの蜂の幼虫で、日本では長野県 ・岐阜県 ・愛知県 ・静岡県 ・山梨県 ・栃木県 ・岡山県 ・宮崎県などの山間部を中心に日本各地で食用とされている。古い時代には貴重な蛋白源として常食された」と説明されている。
二〇一九年三月末の長野県の広報によると、都道府県別平均寿命の最新のデータ(五年ごとの算出のため二〇一五年)で、男性は二位、女性は一位である。過去二十五年間遡ってみると、男性は連続一位、女性は常に五位以内であった。確かに長野県は長寿県であるといえる。
世界的に注目される長寿県 ・長野の長生きの理由は何であろうか。
県の保健 ・疾病対策課は、長寿の主要理由として考えられるのは、①高齢者の就業率が高く、生きがいを持って生活していること、②野菜摂取量が全国トップであること、③ボランティアによる自主的な健康づくりへの取組みが活発、④保健師数が全国トップであること、としている。
また、県の長寿を牽引してきたのは佐久市で、戦後、若月俊一という医師が赴任し、在宅医療や訪問医療を全国に先駆けて実施した。その結果、農村部の住民も医療を受けられるようになっただけでなく、塩分を控えれば病気を防げるといった予防医学も住民に浸透したのだそうだ。
これらを読む限り、蜂の子は滋養として重宝されてはきたが、長生きの直接的理由には挙げられるほどではないようだ。
蜂の子の広告で、長寿の秘訣を学ぶ機会を持った。多くの知識を得た。
(完)
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