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私宛ての贈り物

おだし

 

 まだ私が幼い頃から、我が家の台所にはあたりまえのように蜂蜜が置かれていた。
私は、その甘く透き通った蜂蜜を、焼きたてのトーストにかけて食べるのが大好きだった。
 しばらくして私は大学生になり、実家を離れ一人暮らしを始めた。すると、それまでは割と健康に過ごしていたはずの私であったが、日常生活のなかで体調を崩すことが増えた。
 自分で言うのもおかしな話かもしれないが、私はどちらかというと真面目なタイプで、たとえ風邪をひいて体調が悪くても、マスクをし多少の無理をしてでも授業に出席していた。今思うと、「何もかも完璧にこなさなければいけないのだ」と、どこかで常に気を張っていたのかもしれない。
 そんな私を母も心配していたが、母自身もパートで忙しく、なかなか会える機会は少なかった。
 しばらくして、母から数か月に一度、私宛てに贈り物が届くようになった。
 それがあの、甘く透き通った蜂蜜である。
 私はその蜂蜜を、温かい紅茶に入れて飲む時間が大好きになった。蜂蜜入りの温かい紅茶が、喉を通って全身に染み渡っていくのがわかる。私にとってそれは、難しいことなど考えずにホッと落ち着くことのできる唯一の時間である。蜂蜜のおかげか、私は風邪をひくことも少なくなった。ちなみに母は、その蜂蜜をコーヒーに入れて飲むのが好きらしい。
 甘くて美味しい蜂蜜に出会う機会は、外出先でも頻繁にある。なかでも、私が通う大学の近くに位置するカレー屋さん。そのお店のチーズナンには、たっぷりの蜂蜜がかかっている。とろけるチーズと甘い蜂蜜の愛称は言葉では言い表せないほどに格別で、まさに『蜂蜜マジック』だと私は思うのである。
 このように、様 々なお店で蜂蜜に出会う度に、その美味しさと母との思い出がまじり合い、ついつい私の顔はほころんでしまうのである。

 

(完)

 

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