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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜との縁

赤月陽子

 

 小さい頃は蜜蜂が怖かった。私の生家の隣はイチゴ農家のビニルハウスで、ある時期になると受粉用の蜜蜂がいる箱が備え付けられていた。蜜蜂は時折ハウスの外にも現れ、家の庭をブンブンと飛んでいた。蜂は針を持つ怖い虫、としか思っていなかった幼稚園児の私はブン…と羽音が聞こえると「こわい」と半べそで祖父母に泣きついていたらしい。
 その後、蜂は一度針を刺すと死んでしまうから、余程のことがないと刺さないであるとか、蜜蜂はさほど攻撃的でないなどの知識をつけて蜜蜂は怖くなくなった。しかしその頃にはお隣さんはイチゴ農家を辞め、ビニルハウスはアパートに変わった。
 就職して畜産業全般に関わる仕事に就いた。そこで初めて養蜂は畜産業である事を知った。実際に養蜂農家へ行き、蜂の伝染病やスズメバチの襲撃などの養蜂を行う上での苦労話を聞くことができた。しかし、蜜の味は蜜源の花の種類で大きく変わる事や、ヨーロッパでは養蜂業はとても尊敬される職業である事など興味深い話も耳にして、黄金色のとろりとしたこの液体に対するイメージは豊かなものになった。
 結婚して子を生みしばらくすると、授乳中にできた傷が化膿する乳腺炎になった。それ以外にも頻繁に熱を出したりと明らかに体調が良くない時期が続いた。ある日、遊びに来た父が「これを舐めておけ」とくれたのがマヌカハニーという抗菌作用が高いとされている蜂蜜だった。育児の肉体的精神的疲れから免疫力が落ちているので、これを食べて元気を出せという事だったのだろう。
 今では地元産の蜂蜜を購入し、台所に常備してある。子が1歳を過ぎたら一緒に大きなビンにスプーンをとぷりとつけて、ぺろりと舐めるのを楽しみにしている。

 

(完)

 

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