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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の継承

Masako

 

 子供の頃、冬の寒い朝、母はホットレモネードをよく私に作ってくれた。
 それは、「おめざ」のようなものだった。ガラスコップに輪切りの檸檬。底によどんでいる蜂蜜を真横から見ながら、スプーンでかきまわすのが好きだった。熱さの加減を確かめながら少しずつ口に含むと、優しい甘酸っぱさに心も体もあたたまった。そして味覚に触発されて、眠気もなくなり、寝起きの頭を自然とすっきりさせることができた。
 朝食は焼き立てのこんがりトーストに、マーガリンを塗り、その上から蜂蜜をたっぷりと垂らしていた。このトーストは今でも私の定番だ。考えてみたら、昔から蜂蜜づくしの毎日だった。
 今でもヨーグルトにかけたり、珈琲や紅茶にもお砂糖代わりに使っている。蜂蜜のなめらかな味わいが大好きだ。この世界に蜂蜜が存在することは、私をとても幸せにしてくれる。穏やかな気持ちにもさせてくれる。蜂蜜を味わうことで、私自身が世の中から受け入れられている様な不思議な感覚さえある。
 私もかつての母の様に、高校生の娘に毎朝ホットレモーネードを作っている。私と同じ仕草で、スプーンをかきまわすその姿に、子供の頃の自分が重なる。無意識ではあったが、蜂蜜の美味しさを感じることが、この様な形で代 々受け継がれていくのである。

 

(完)

 

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