はちみつ家　>　蜂蜜エッセイ

ソバの花のハチミツ

ナオミ

　小学生のころ、トム ・ソーヤーの冒険にはまっていた。
　その影響で、トムが食べていたであろうものにも興味を持つようになった。
　ある時、題名は忘れてしまったが、ハチミツ事が書かれた本を読んでいた。それによると、日本ではレンゲのハチミツが人気だが、海外ではソバの花で出来たハチミツがポピュラーらしく、外国人に蜂蜜をなめさせても、
　「これが本当に蜂蜜かね？」
　とびっくりされるらしい。日本で人気のレンゲのハチミツは優しく上品な味なので、強烈らしいソバの花のハチミツに慣れた外国人には、物足りなく感じるらしいのだ。
　これで、私はソバの花で出来たハチミツに興味を持った。外国でメジャーならば、トム ・ソーヤーが食べたハチミツもそれかも知れないのだ。
　早速父に買ってきてもらった。
　ハチミツというと、明るい黄色をイメージするが、ソバの花のハチミツは黒かった。ハチミツの匂いは意識して嗅いだことはなかったが、いつものレンゲのハチミツよりは強かったと思う。
　食パンに付ける時、ソバの花のハチミツは、粘りが強かったような気がする。だがこれは、色が黒いのでいつもより粘着力があるように感じたのかも知れない。
　味は、普通に甘くて美味しかった。本には強烈で癖があるとか書かれていたが、当時小学生だったためか、甘ければ何でもおいしく感じたのかも知れない。
　また、大好きなトム ・ソーヤーが食べたかもしれないと思って、美味しく感じたというのもあるだろう。
　これを思い出して、またソバの花のハチミツが食べたくなった。当時は美味しく感じたが、今はどう感じるのだろう。今度試してみよう。

（完）