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蜂蜜エッセイ応募作品

ハニートースト

飛鳥 明日香

 

 今でこそ食べるの大好き人間に成長した私だが、昔は食の細い子供だった。お昼ご飯や晩ご飯でもそうなのだから、起きたばかりの朝ご飯は特に食べられなかった。そこで、母が何が良いかと考えて作ってくれたのがハニートーストだった。
 私は、母の作るホットケーキが大好きだった。当然、そこにはたっぷりの蜂蜜がかかっていた。しかし、毎朝ホットケーキを作る事は大変だ。それで、同じく蜂蜜をたっぷりとかけるハニートーストが考えられたのであろう。
 食パンをこんがりと狐色に焼き、そこにマーガリンを塗る。それだけでもほんのりとした塩気が美味しいが、その上にこれでもかとあまーい蜂蜜をかける。蜂蜜独特の良い香りと甘さのおかげで、食の細い私もぱくぱくと美味しく食べられた。
 子供でも食べやすいようにと、母は食パンを四つに切ってから焼いてくれていた。一片摘まんでかじると、甘みが口いっぱいに広がる。マーガリンでコーティングされた食パンの上を蜂蜜はとろーりと滑ってゆく。そして、指にまで垂れてしまった蜂蜜をぺろぺろと舐めるのも好きだった。
 最近は、無糖のヨーグルトに蜂蜜をかけて食べる事が多い。真っ白のヨーグルトにつやつやと黄金色に透き通った蜂蜜の美しさ。ヨーグルトの酸味に蜂蜜の香りと甘さが絶妙にマッチして何とも高級感のある味になる。そうして蜂蜜の香りを嗅いでいると、子供の頃に眩しい朝日が射し込む台所でハニートーストを食べている場面が今でもふっと頭をよぎる。
 蜂蜜は蜂が集めた花の種類によって香りや色が変わる。れんげにアカシア、クローバー。みかんの蜂蜜はさわやかな香りが印象的だ。おそらく、あの時に食べていた蜂蜜はれんげの物だったのだろう。ハニートーストの味を思い出す時、母の笑顔と共にれんげの花も一緒に思い出すから。

 

(完)

 

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