渡辺 碧水
パソコン画面で検索事項を読み進めると、途中に「会話中の違和感が気になる人に」とか「耳鼻科に行っても消えなかった違和感に」という見出しの広告が割り込んできた。
以前の検索語で、操作者の関心深い事柄を察知し示す、ご親切広告が眼前に現れたのである。つい先日、「蜂の子」について調べたことを思い出した。
後の広告には、続いて「耳鼻科に行ったりしたけど違和感が消えずに残っている。蜂の子サプリで手軽に改善…」とあった。次頁には、その続きがなく、「疑うほど快適!クリアな毎日(以下省略)」などと、「蜂の子」商品の宣伝文句が続 々。当惑の境地。
これに至ったのは新聞の広告を目にしていたからである。それには「耳より情報」「ハッキリすっきり会話が楽しい」「年齢のせいだと諦めないで!!」等 々、誘い文句が並んでいた。
数ある広告の中で目に止まるのには、それなりの理由がある。四十九歳の時受けた人間ドックで、両耳高音部の聴力低下を指摘されて以来、補聴器の助けを得てきた。八十一歳の今日まで、高額な補聴器を三度買い替えている。難聴は年齢相応以上に着実に進んでいる。
人と会話するのが嫌になったり、耳鳴りに悩んだりはしていないのだが、脳は広告群の中から選んで敏感に反応した訳だ。脳は希望を探し続けていた。だが、自賛広告には冷静さが必要。
パソコンでの調査では、効能がありそうという紹介がでてきた。
蜂の子に関する近年の科学的研究によって、ストレスホルモンのバランスを整えて、耳鳴りに伴う不安や苦痛を和らげるとともに、聴力を回復させる効果がある、と実証されたそうだ。蜂の子が、耳鳴りや難聴に悩む人の生活の質の改善に役立つと期待できる。
それでも、耳鳴り ・難聴の効能が明確に謳(うた)われていないし、公認の推奨薬品でもなさそうだ。それと匂わす程度にとどまる点が「サプリ」の所以(ゆえん)か。
研究や精製技術が進歩し、明快な広告が出され、皆で一緒に喜びたい。
(完)
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