春星
幼少の頃、風邪を引くとすぐに中耳炎に罹ってしまった。
中耳炎とは風邪のウィルスが耳に入り鼓膜の中で炎症を起こしてしまうのだが、大人でも我慢出来ない位の痛みが続く。更に治療の為に膿を出すために鼓膜を切開するのだが思い出すだけで何だか耳が痛くなる。
そんな私を心配してある日、祖母が「体に良いから」とプロポリスの飴を買って来てくれた。
プロポリスとはハチが巣に出来た穴の隙間を埋めたりするのに作るのだが、天然の抗生物質と言われるぐらいウィルスと闘ってくれるというのだ。祖母は私に「ちゃんと 一日 一個 毎日ちゃんと食べるんだよ」と言って私に飴を渡した。
幼少期の当時の私はちょっと癖のある味に最初は戸惑ったが濃厚な味わいに段 々と虜になっていった。
また、プロポリスのお陰か中耳炎にかかることも減っていった。
あれから20年が経ち大好きだった祖母も5年前に亡くなった。
毎日 飴を舐める度に祖母の笑顔を思い出す。
今はまだ小さい我が子にももう少し大きくなったら一緒に飴食べるんだ。おばあちゃん本当にどうもありがとう。
(完)
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