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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

はちみつと家族

Nami

 

 私が物心ついた頃、家には必ず大きなはちみつの瓶があった。
 少し使わない時間があると、蓋ははちみつで固まり、小さい私の手では開けるのに苦労した。
 大きなはちみつの瓶を見ると、父がカポッと蓋を開けてくれる音を思い出す。
 朝は、マーガリンを塗ったトーストに、はちみつをたらりたらりとたっぷりかけて。
 口をべたべたにしながらほおばっていた私。
 母は、紅茶に入れて。
 父は、そのままスプーンごとなめていたり。
 夏は、かき氷にいちごの氷みつをかけた後、はちみつをたらりたら~り。
 スプーンから、とろりとろ~りとゆっくり落ちる琥珀色のはちみつ。
 その時間が、早くかき氷を食べたい私には待ち長かった。
 父が作ってくれるかき氷は、とっても甘くて、とっても美味しかった。
 そこには、家族みんなの笑顔が必ずあった。
 母が亡くなり、父が病気で施設に入った今。
 大きなはちみつの瓶を見ると、当時の幸せだった記憶を思い出し懐かしくもあり、せつなくもなる ・ ・ ・
 今、我が家にあるはちみつは、そんな大きな瓶ではないけれど蓋を開けてと娘が持ってくる。
 娘も、はちみつトーストが大好きだ。
 来年の夏は、父が家へ帰ってきた時に、あのあま~いかき氷を作ってあげよう。
 娘は、はちみつ入りのかき氷を食べた事はないけれど。
 私には、父と娘の笑顔がもう浮かぶ。

 

(完)

 

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