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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

遠い記憶

半仁田由美子

 

 それはちょっとした注文ミスで起こりました。
 注文番号を間違って記入たのでしょう、沢山の食品の中にそれは入っておりました。
 「マヌカハニー」普段の注文の価格の中で、場違いな7200円、慌てて返品を申し出たところ、食品の返品はNGとの事でした、「しょうがないか」と諦め、しばらく戸棚で飾り物となっていたのですが、どんな味がするのかと一サジ舐めてみることにしました。
 「高いからね~」そう呟きながら、パクッと口の中へ 濃厚な痛いほどの甘い味と香りが広がります、頭の奥の方から「じいちゃん、早く早く」と幼い声が聞こえてきました、目を閉じて鼻から大きく息を吸うと、父と祖父の姿が浮かびます、二人は蜂の巣箱から茶色い塊を取り出し、桶に入れそれに群がる蜂たちを大切そうに巣箱へと戻しています。
 待ち切れない幼い私は「じいちゃん早く早く」とせかしているのです。
 祖父から巣ごと渡された塊を口の中へ入れ、ガムを噛むようにして食べます、蜂たちが山や畑、田んぼから集めてきた真に百花蜜、痛いほどの甘さと濃い香り。
 幼いころの思い出が次から次に浮かんできます。
 口の中の蜂蜜が、思いがけず小さい頃の幸せな記憶を思い出させてくれました。
 今日は、祖父と父の前にも「マヌカハニー」を花と共にお供えしようと思います。

 

(完)

 

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