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蜂蜜エッセイ応募作品

甘さと深さ

いろは なつこ

 

 カフェに行けば、ハニーという名前の付く飲み物やケーキはよく見かける。
 料理に使ったりもできて、試しに親子丼にみりんの代わりに入れてみたら、はちみつ独特の風味が香高い料理酒を入れたような味に変わり、鶏肉ともとても相性がよく、美味しく作れて驚いたことがある。
 料理やお菓子、紅茶などの飲み物にも気軽にはちみつが頻繁に取り入れられるようになっているように思う。おしゃれで贅沢な楽しみのひとつだと、昭和生まれの私は感じる。
 小さい頃、はちみつを食べる時というのは、ホットケーキを時 々焼いたときにかけるくらいであった。なかなか減らないものだから、大きな容器の中身はところどころ白くなり、小さな手で押して出すときも時間がかかった。甘さを早く味わいたいが、なかなか出てこない。ホットケーキだって焼きたてを食べたい。子供心に、その扱いにくさと強い香りが結びついて、一仕事して食べることのできるものだという印象ができあがった。
 蜂が集めてくれたという希少さもさることながら、後を引く甘みが濃縮されているから、要る量はほんの少しでいいのだが、そこまででもういいよと思っても、出したらすぐには止められないのがはちみつである。そのスピードを見守るのだ。なんでもかんでも、コントロールはできない。
 最近は、はちみつが多く出回る時代になり、美味しく食べる機会も増えた。はちみつの滴る独特の速度に、たくさんの花が風に揺れていたことや、蜂が羽音を立てて飛び回って旅している様子を浮かべながら、ゆっくり焦らず味わえたら豊かなことだと感じる。何回かに一回は、そんな味わい方もしていきたい。
 そして、それ以外の時は、小さい頃のように、深い甘さにどっぷり甘えていたい。

 

(完)

 

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