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蜂蜜エッセイ応募作品

「蜂蜜色」の思い出

蒼井 賢二

 

 蜂蜜はひょっとしたら、無くても生きていける。でも蜂蜜があることで豊かになれる。そんな食べ物だと思う。振り返ると、そんな思い出がいくつも心に浮かんでくる。
 小学生の頃、朝食は決まって食パンだった。両親が共働きだったこともあり、家族ばらばらで、急いで食べる必要があった。食パンにはあらかじめバターを塗っておいて、上から蜂蜜で好きな絵を描いて楽しんだ。「早くたべなさいよ」そんな声に急かされながら、食パンを齧ると、バターのしょっぱさと、蜂蜜の夢のような甘さが交互にやってきた。
 社会人になり、働き始めてからは、蜂蜜ドリンクが、仕事上の欠かせないお供になった。夏は「ハニクラ」。クラッシュアイスに蜂蜜とレモンを入れてもらう。気持ちに喝を入れるのに、こいつは欠かせない。がりがりと氷をかじりながら、蜂蜜にアイデアをもらう。冬は「ホット」。ミスして上司に叱られた時は、蜂蜜に癒してもらう。「何飲んでんだ?」「ええ、ちょっと」。蜂蜜で自分の気持ちを慰めていることは、みんなには内緒だ。
 そして今。定年で仕事を離れてからは、蜂蜜とヨーグルトが健康習慣になっている。小さなスプーンに蜂蜜を塗りつけておき、そのスプーンでヨーグルトをすくって口に運ぶ。ヨーグルトだけだと、健康にはいいかもしれないが少し酸っぱ過ぎる。少しずつ溶けて口に入る蜂蜜のおかげで、それが美味しいおやつに早変わりする。ゆっくりとした甘さと一緒に午後のひとときを過ごす。
 私にとって蜂蜜は、身体にとっての栄養だったり、食事の時の甘味だったりするだけでない。気持ちを癒し、励まし、豊かにしてくれる食べ物だ。「蜂蜜色」を思い浮かべると気持ちが弾むのを感じる。
 考えてみれば、「色」の名前にまでなっている食品は、他にあまりないのでは?

 

(完)

 

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