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蜂蜜エッセイ応募作品

母とはちみつ

ふうりん

 

 一昨年、九十二歳で天寿を全うした母は、はちみつが大好きでした。
 まだ元気で、私と一緒にデパートなどに行けたころは、何よりもはちみつを買うのを楽しみにしていました。買ってくると、さっそくそのはちみつを使って、うれしそうに料理をしている姿が思い出されます。母の手料理はまろやかでこくがあり、とてもおいしいものでした。
 母の日などのプレゼントに、何がいい? とたずねると、母はきまって「はちみつがいいねぇ」と答えていました。私もお店で試食などさせてもらいながらいろいろ教えてもらって、母のためにはちみつを選ぶのが楽しかったものです。私の娘たちも旅行などに出かけた折には、母へのおみやげに珍しいはちみつをよく買ってきてくれました。
 マヌカハニーが身体に良いと聞いてからは、毎晩マヌカハニーを一さじずついただくのを楽しみな日課にしていました。
 最期を迎えた病院のベッドの横の戸棚にもマヌカハニーが置かれていました。母は薬の副作用のせいかひどい口内炎になり、もう何も食べることができなくなっていましたが、マヌカハニーをそっと唇につけてあげると、ふうっと表情がやわらぐように思われました。はちみつの甘さが、母がこの世で最後に味わうやさしさになったことと思います。
 はちみつが母の健康に一役買ってくれていたことはもちろん、母の人生に甘さだけでなく豊かさも与えてくれていたのだと、今になって思えるのです。

 今年の母の日には、私も娘にマヌカハニーをリクエストしてみましょうか。

 

(完)

 

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