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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

佳作 第二回蜂蜜エッセイ佳作

 

蜂蜜レモン

時代遅れ

 

 私は、高校時代、陸上競技部に所属していました。男女一緒に練習をしていましたが、マネージャーは女性が一人だけでた。丸顔でロングヘアー、そうして目がパッチリと大きい、かわいい女の子でした。決して強いクラブではありませんでしたが、本当に一生懸命私たちを支えてくれました。ミーティングの時など「他のクラブに比べて練習が甘すぎる。もっと激しい練習をするべきだ。」などと、叱責されたことを思い出します。私たちは、腹いせに彼女の丸顔をからかって「真ん丸お月さん雲の上」などと歌ったものでした。今、思い出しても心無いことをしたものだと思います。そんな私たちでしたが、彼女が練習が終わった後に必ずしてくれたことがありました。それは、薄く輪切りにしたレモンにハチミツをたくさんかけたものを四角い容器にびっしと詰めて差し出してくれるのです。私たちは、あたりまえのようにその四角い容器の周りに集まり、当たり前のように手を伸ばし、ハチミツがたっぷりかかったレモンの輪切りを摘み上げ、ペロリと口の中にほり込みました。練習後の乾ききった喉には、たまらなく美味しいものでした。しかし、今考えると、マネージャーはいつもハチミツを用意しておき、毎日のようにせっせとレモンを薄く輪切りにしてくれていたのです。とても大変であったろうと思うし、私たちに深い愛情がなければできなかったろうと思います。初恋はレモンの味といいますが、私たちの思春期の味はハチミツとレモンの味です。もし、今、当時に戻ることができるならば「ありがとう」という言葉とともに「本当に美味しかった」と伝えたいものです。

 

(完)

 

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