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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

湯気の向こう

魚心 水

 

 「残念、これ白く固まっちゃったよ」という娘の言葉に、
 「じゃ、あなたはジャムにする?」と 朝の出勤前の娘に、あれこれ講釈することを避け、私はついこう言ってしまった。最近に限ったことではない。やれ、通学前だから、通園前だからと、おばあちゃんの知恵といった類を私は娘にあまり伝えないまま、今に至ってしまっているように思う。
 白く固まってしまったはちみつを、どう最後まで美味しくいただくか?おばあちゃんの知恵袋……、田舎の祖母や母が幼い私にしてくれたように白く固まったはちみつを熱湯で溶かす。そこにレモンの輪切りを浮かべることを、私流として加えた。
 その晩、仕事から帰った娘を捕まえて、少々私につきあわせた。
 レモン入りのはちみつ湯を娘と一緒に飲みながら、まだ開封前の瓶や柔らかい容器、そこに入ったはちみつにやさしく光る気泡が上下に行ったり来たりするスピード、時間がゆったりと流れた。そして、おばあちゃんの知恵袋の紐がほどけだして、先人の知恵と……娘流の知恵のカケラがからまりだした。

 

(完)

 

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