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蜂蜜エッセイ応募作品

戦争で知った生き方

谷村恵美

 

 私のお婆ちゃんはメロン畑のハウスの中に自然の蜂蜜を取っていました。子供の頃は怖くて逃げ回っていましたがお婆ちゃんは何も悪いことをしなければ刺されることはないと言って笑っていました。
 お婆ちゃんが悪魔に見えた瞬間でした。
 お婆ちゃんは取った蜂蜜を歯磨きと混ぜて使ったり、石鹸と混ぜて使っていました。
 私はお婆ちゃんは蜂蜜で歯を磨くから入れ歯だとずっと思っていて私が蜂蜜で磨くことは無かったです。
 お婆ちゃんが畑で倒れたと聞き私は蜂に刺されたのだと思っていました。
 お婆ちゃんはそのまま帰らぬ人となり私は大泣きしたのを今でも覚えています
 驚いた事にお婆ちゃんの歯は自分の歯で入れ歯ではなかったんです。
 顔はシワで小さくなっているのに歯は大きく白かったのでずっと入れ歯だと思っていました。
 お婆ちゃんの死因は老衰だと言われました。蜂を犯人にしてしまった事を心の中で反省しました。
 九十八歳でしたがギリギリまで野菜を作って売り、ご飯も自分で作り誰にも迷惑かける事なく最後までしっかりして過ごしていました。そんなお婆ちゃんのお食事する部屋から何本もの小銭が沢山入った瓶が出てきました。お婆ちゃんは何がしたかったんだろうか貯金すれば良いのに。。
 もしかして邪魔くさがりやさんだったのかなぁ。。
 葬式の時みんなが口 々に助けて貰った、その中の一人はお金に困った時に小銭の入った瓶を渡して頑張れよと言ってくれたのですがそれを見たら使う事ができなく、ただがむしゃらに仕事をしたと言ってました。
 お婆ちゃんは貧乏ではなく逆に裕福だったのですが戦争で学んだ生き方なんだとわかりました。
 今ではプロポリスと騒がれますが謎が多いお婆ちゃんですが発明家だったかも知れません。

 

(完)

 

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