ベンジャミン
十八歳で一人暮らしをするようになってから、毎食簡単ながらも手作りしている。
しょっちゅう作る定番メニューはそれなりに美味しくできるのだが、いまいち自信がないのがサンドウィッチであった。
パサパサしたり逆にビチャっとなったりするだけでなく、味としても単に具をはさんでいるな、というだけの代物になるのが残念であった。
ところがある日、テレビを見ていると人気サンドウィッチ店のご自慢レシピが公開されているではないか。あわててメモをとり、早速その日に作ってみた。
そして、そのサンドウィッチソース美味しさに心底感動してしまった。どの家庭にもある基本のものしか使ってないのにこんなに違うなんて……
あまりの美味しさにそれから一週間、具材だけを変えて毎日サンドウィッチを食べ続けたくらいである。
その隠し味に使われているのがハチミツなのであった。普段トーストに塗ることが多いのでハチミツなら常備してある。だからいつでもこのおいしさにありつくことができるのだ。
この日から、苦手だったサンドウィッチは私の得意料理に変わった。
そしていつか、このサンドウィッチソースのおいしさにびっくりした誰かに
「隠し味にハチミツを使ってるねん。」
と得意げに語る日を楽しみにしている。
(完)
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