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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

祖父と私と蜜蜂と

 

 父方の家は苺農家だった。蜜蜂が毎日ハウスや家の周りをブンブンと飛び回り、忙しなく花粉を運んでいた。
 小さな頃、学校から帰ってくる時間帯は一番蜜蜂が飛び回っている時で、刺されるのが怖くていつも弟と一緒に手を繋いで走って家に帰っていた。その様子を作業小屋から見ていた祖父は私達が家に辿り着くと笑いながら「蜂は怖くないぞ、お前達をおかえりって言うとんや」と言って頭を撫でてくれた。
 何度も刺され、泣きじゃくることも沢山あった。その度に「蜂が怖いけんどっかにやって」と祖父に言った。けれど、いつも返ってくる答えは「でもなぁ、この子達も家族やからな」だった。まだ小さな私は祖父の言った家族という意味が分からなかった。
 そのうち苺が大好きな私は作業小屋に置いてあった苺に関する本を読み、蜜蜂がいないと苺農家は成り立たないことを知った。うちが苺農家でいるために蜜蜂は祖父と共に毎日働いていたのだ。だから祖父は蜜蜂を大切にしていたのだ。その時ようやく「この子達も家族やからな」という意味が分かった気がした。
 今はもう父方の家は苺農家ではない。沢山いた蜜蜂も居なくなってしまった。けれど、ブンブンと蜜蜂が飛ぶ季節になるとあの頃を思い出して懐かしくなる。
 蜜蜂は大切な家族だった。

 

(完)

 

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