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蜂蜜エッセイ応募作品

おばぁちゃんのホットミルク

はにかむ

 

からだが熱い

寒い冬の日、私は風邪を引いて家で一人寝ていた。

母は「心配だから仕事は休む」と言ってくれたが、私ももう小さい子供ではないし、ただの風邪で仕事を休ませて看病させてしまうのは気が引けたので断ったのだ。

でも、ほんとうは少し心細かった。

なるべく早く帰ってくるからねと言ってくれた母を仕事へ見送る

誰もいなくなった家は途端にさみしく感じた。

私は風邪で重くなった足取りで自分の部屋に入ると、毛布に小さく包まって、目を閉じた。

カラ、カラン

しばらくしてキッチンから物音がして目が覚めた。誰だろうと体を起こすと、部屋の扉が控えめに開いた。

おばぁちゃんだった。

「あら、起きていたの?風邪を引いたって聞いていたからホットミルクを作ったのだけれど....」

おばぁちゃんのホットミルクは、温めたミルクに大さじ一杯のハチミツを加えた優しい甘さのもので、私は小さい頃からこのミルクが好きだった。

あとから知ったことではあるが、ハチミツとホットミルクは相性が良く。

ハチミツの抗菌、抗炎症作用で喉の痛みを和らげ、また、牛乳は皮膚や粘膜を保護するはたらきがあるのだとか。

そうして手渡されたマグカップは、人肌の温度に温められていてその中を満たすミルクは、ほんのりと蜂蜜色をしているように見えた。

「ありがとう、おばぁちゃん」

そう言って、はにかむとおばぁちゃんは微笑んで静かに部屋を出ていった。

手のひらが温かい

薄暗い部屋でホットミルクを見つめていた私の目は、蜂蜜色でキラリと光っていた。

(完)

 

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